前書き
みなさんこんにちは、かそつーです。
Blastとは暴風や爆発の意味、そして楽しい時間を過ごすという意味で使われる事もあります。その名の通り今とても熱気のあるBlastについて解説します。
Blastとはなんなのか?
11月21日、Blurの創設者であるPacman氏が新しいEthereumのLayer2プラットフォーム「Blast」を発表しました。
EthereumのLayer2であるOptimistic Rollupsを採用したLayer2ネットワークです。
利回りに特化したLayer2とも言われ、ETHおよびステーブルコインのステーキングを通じてユーザーと開発者に自動的に利回りが提供されるという新しい設計です。
現状はチェーン自体存在しませんが、トークンをブリッジして保有しておくことで資産が自動で増加されていく事を目指しています。
開発チームの投稿によると、具体的なイメージは下記のようになります。
・BlastはETHのステーキングにネイティブに参加し、ステーキングの利回りはL2のユーザーとdAppsに還元される
・Blastのウォレットに1ETHがあれば、時間の経過とともに1.04、1.08、1.12ETHに自動的に成長する
これがどのように実現されるかというと、まずBlastにUSDC、USDT、DAIなどのステーブルコインがブリッジされると、MakerDAO(1)のオンチェーンT-Bill(2)プロトコルに入金されます。
そこで発行されるステーブルコイン「USDB」に自動変換されます。
MakerDAO(1)などの米国債に連動するプロトコルと連携する事により、米国債の金利が保有者への利回りとして提供されるという事です。
チェーン上で資産を保有しているだけで利回りが得られるという話題性もあり、Blastは公開から48時間以内にTVLが5億7,000万ドル(約847億円)に達し、50,000人以上のユーザーが集まりました。また、ParadigmやStandard Cryptoなどの著名な投資会社から30億円の資金調達に成功し、Blurとの関係性、将来的なトークン報酬への期待もあり、コミュニティから資金を得ることに成功しました。
現時点ではユーザーがネットワークから資金を引き出したり、オンチェーン活動に参加したりするには、2月のメインネットのローンチを待つ必要があります。
また、入金も招待制となっており、アクセスするには招待コードが必要となります。
ロードマップによると、2024年2月にメインネットの公開と同時に出金が可能となり、同年5月にBlastポイントが交換できるとしています。ポイント交換がどのような仕組みになるのかは2023年12月1日時点で明らかでありません。
(1)暗号資産ダイ(DAI)を発行する「Maker」および「Makerプロトコル」を管理するDAOプロジェクトです。MakerDAOでは、ガバナンストークンであるMKRを1MKR=1票としてガバナンスを行っており、DAIの価格を安定させたり、MakerDAOの今後の方針を決めたりしています。Daiは、ブロックチェーン上で稼働する仮想通貨です。
(2)T-Billとは、Treasury Billsの略、米国政府が発行する償還期間が1年以内の利付債のことです。
Blurについて
Blurとは、EthereumのLayer2プラットフォームBlastの発表をしたPacman氏が同じく監督しているNFTマーケットプレイス兼アグリゲーターのプラットフォームです。
BlastはBlur内でのNFT取引コストの削減と機関レベルのNFT永久先物取引を実現するためにも設計されており、それは主に下記の課題で構成されています。
・NFT取引に年間数億ドルのガス料金
・Blurの1億ドルのTVLが何も収益を生んでいないこと
上記をBlastとBlurの組み合わせで解決することを目指しています。
Blurは2022年10月のリリース以降に拡大し、OpenSea一強だったNFTマーケットプレイスのETHの取扱高で2023年2月にはOpenSeaを超える取引高を記録しました。
プロトレーダー向けNFTマーケットプレイスと言われており、手数料ゼロと高速アグリゲーションモデルでユーザーを急速に獲得しています。
高速アグリゲーションとは、OpenSea、X2Y2、LooksRareなど他の外部のNFTマーケットプレイスを横断する事を可能とする機能です。
出典:BLUR
同じプラットフォームで外部のNFTマーケットプレイスの出品状態や価格などを確認、比較しながら取引が可能となっており、大変利便性に長けている機能です。このトレーディングに特化したUI/UXで急速にトレーダーを獲得しています。
また、誰でも無料でマーケットプレイスを利用可能です。
従来のマーケットプレイスでは、手数料は無料ではありません
・OpenSea 2.5%
・LooksRare 2.0%
・X2Y2 0.5%
上記のように、それぞれ手数料がかかります。
頻繁に取引をする人にとてもメリットのあるマーケットプレイスと言えます。
また、取引手数料だけではなく、ネットワーク手数料のガス代も安くなるのがBlurの人気の理由です。従来のマーケットプレイスは入札や入札の取り消しにもガス代がかかりましたが、Blurではこちらも無料です。
まさにBlurが謳うようにトレーダー向けのNFTマーケットプレイスとなっています。
・独自トークンBLURのエアドロップが活発
Blurは独自トークン「BLUR」を2023年2月14日にローンチしました。
CoinbaseやOKK、DigiFinex、Bybitなどの取引所に上場しています。
Blurで取引をしたり、NFTを出品したりしたユーザーに対して報酬としてエアドロップされています。
BLURのエアドロップはとても戦略的です。
エアドロップのseason1では、2022年10月のローンチまでの6ヶ月間に積極的にNFTを取引した人に報酬としてケアパッケージが与えられ、season2では2022年11月までにBlurにNFTを出品していたトレーダーが報酬を獲得しました。そしてseason3はBlurに入札をするトレーダーに対して与えられるとの事、season2の1〜2倍の報酬を予定しています。報酬プログラムを過去2回実施してきた事と、来年のエアドロが実施される事への期待がBlurのNFT取引高上昇やトークンの価格上昇に繋がっています。
今後の展望は?
Blurの主な競合としては、OpenSeaなどの既存の大手NFTマーケットプレイスが挙げられます。どのプラットフォームもそれぞれ個性的な魅力がありますが、特にOpenSeaとの競争は現在も激化しています。
Blurはその運営チームも明らかにしておらず、匿名であったり、アバターで登場するなどの要素がweb3では珍しくないとはいえ懸念材料としてあげられています。
しかしながらこれだけの巨額の資金を著名なVCからも調達をしているため、優秀なチームである事は間違い無いと言われています。
ローンチを巡って論争が絶えない中、TVLが5億5500万ドルを超えるなどの勢いを見せています。
戦略としてBLURがどう成長していくか、Blastの懸念材料が要らぬ心配になり勢いを落とさずに進むのかは、今後のローンチ後の進展にかかってきそうです。
まとめ
ユーザーの資産を置いておくだけで増やしていくというBlastの計画には賛否両論あります。
他のLayer2とは全く違うシステムと、謎に包まれている部分の多さは、多くの不安の声となっていますが、その報酬が魅力的である事や著名なVCからの資金調達など、信頼する理由は個人で違いますが、参加者は増え続けています。
紹介するとポイントがもらえるというシステムがさらに熱気が拡散されて、ねずみ講の様な雰囲気がしてしまいます。
まだチェーンが存在してない状態でTVLが上がり続けています。雰囲気にのまれない様にリスクも伴うことを忘れないで参加したいですね。
この記事がいいと思ったらぜひ共有してください↓
※免責事項:本記事は、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。