【今更聞けない】Layer2最大手のArbitrumを解説

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みなさんこんにちは、かそつーです。今回は相場が低迷してる時期にも盛り上がりを見せてくれているArbitrumについて解説をしていきます。

Arbitrum とはなんなのか?

Arbitrum(アービトラム)は、​​​​Ethereumのスケーラビリティ問題の解決策の1つとして誕生したLayer2ブロックチェーンです。
Ethereumの負荷を軽減し、ネットワークの混雑や手数料の高騰を緩和する役割を行います。
Layer2について曖昧な方はこちらをご覧になってください。
Layer2にはたくさんの技術がありますが、Arbitrumはその中でも人気の高いブロックチェーンとして注目されています。
Arbitrumは2021年8月にOffchain Labsによって正式にローンチされ、初期から大量の資金が流入しました。
2023年11月12日現在ではマーケットシェアの55%をArbitrumが獲得しています。特にGMXいう先物取引プロジェクトが大きなTVL(1)を獲得しています。

(1)Total Value Locked​​​​の略で、ブロックチェーン上に預けられている仮想通貨の総預かり資金です

出典:L2Beat

Arbitrumが人気の理由

Arbitrumはローンチ後、UniswapなどDeFiの主要サービスが即座に採用を決定し、著名なプロジェクトも次々とArbitrumを採用しました。

Arbitrum Layer2の基本的な仕組み

・Layer1の複雑な計算処理を行う
・取引データを圧縮して複数の取引をひとまとめにする
・Layer1に送信する

というロールアップ技術を採用しスケーラビリティ(取引処理能力の向上)を実現しています。
また、EthereumではなくArbitrum上で処理を行うことでEthereumが強みとするセキュリティの担保が難しくなりますが、Arbitrumでは不正取引を検知するFraud Proof(虚偽証明)(3)の仕組みを取り入れています。
それに加えて、Arbitrumではmulti-roundという複数回確認する方法を活用しセキュリティを向上させています。複雑な仕組みですが、取引をチェックをするのはLayer2で行うため安価に取引ができます。
さらにEthereumでのスマートコントラクト(4)を実行するEVM(5)との互換性などの機能面で利便性があります。
要するに、Ethereumで開発されたDApps(分散型アプリ)をArbitrumへ簡単に移行できるということです。
これにより、開発者はEthereumの既存のツールを使用してスムーズに開発をすることが可能となり、かつユーザーは安心安全に快適な速度と手数料削減が実現できるようになります。

(3)後から一定期間を設けて取引の検証を行い、不正取引を検知できる証明方式
(4)ブロックチェーン上での契約を指す。事前にプログラムを実行するルールを決めて条件を満たすと自動的に契約を承認する仕組みです。
(5)Ethereum Virtual Machineの略。Ethereumでスマートコントラクトを実行するためのソフトウェア環境です。WindowsではWindowsの実行ファイルしか動かないことを想像してください。EthereumのコントラクトはEVM上でしか動きません。

Arbitrumには2種類のLayer2がある

Arbitrumには現在、Arbitrum OneとArbitrum Novaの2種類のレイヤー2が開発されています。
現在メインチェーンであるArbitrum Oneは、複雑な仕組みによりセキュリティを犠牲にする事なくスケーラビリティと速度を向上しています。
そのためDeFi(2)やNFTプロジェクトに適しています。
対してArbitrum NovaはAnyTrustという技術を活用し、より低コストで高速処理性能になっています。
データ送信や取引をする量も多いゲーム、ソーシャルアプリの開発に適しています。

Arbitrum Novaの基本的な仕組み

AnyTrustという技術が活用されています。
・厳選されたメンバーのみで構成された委員会(committee)がある
・トランザクションは委員会のメンバーが署名する、閾値以上の署名が必要
・トランザクションは基本的にオフチェーンで管理される
・署名が集まり次第ハッシュ(6)だけをEthereumに記録し、すぐに承認する
・署名が不足している場合、Ethereumにデータを記録しロールアップと同じく承認されるまで一定の期間待つ必要がある
・速度向上と手数料軽減により、さまざまな処理が可能となる

以上のような仕組みである事から、委員会のメンバーを信頼出来る事が前提です。
誰が選ばれるのか、人選方法などのプロセスまでも信頼できるのもであることが必要となります。

(6)あるデータを変換して得られる固定長のデータのことです。
ハッシュはあるデータを一方向にしか演算できないのが特徴です。
ハッシュ化されたデータを元のデータに戻すことはほぼ不可能です。そのためパスワードなどによく使われます。

今後の展望、将来性は?

Layer2ソリューションの間では激しい競争があるもののArbitrum Oneの人気はとても高くEthereumのLayer2としては最大のネットワークとなっています。
それぞれ特徴があり一概に比較はできませんが、資金の集まり知名度も高い事で開発者にとって良い環境が整っている事は確かです。

最近でもArbitrum Orbitが発表されたり、zkBridgeが構築されるなど、Arbitrum周辺のエコシステムもますます充実してきています。
今後のL2競争の中でも業界をリードするプロジェクトであり続ける可能性は非常に高いと言えます。

まとめ

Arbitrumは、ローンチ後すぐに注目を集め、今現在も業界から熱い視線を集めている大人気プロジェクトです。
その注目によりさらに大きな資金を呼び込んでおり、質の高いプロジェクトが生まれやすい環境ができています。
この環境を活かしてArbitrumがL2競争を勝ちきれるよう、いかに他のL2に対して優位性のあるポジションを取れるかは来年にかけて大きなテーマとなるでしょう。

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※免責事項:本記事は、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。

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